2020年5月20日水曜日

免疫は病原菌と闘うメカニズムのことなんです

病原菌と闘うメカニズム

免疫についての解説一覧

 生きている人間は、決して腐ることはありません。それは生きている人間は免疫によって、細胞が病原菌などによって破壊されないように守られているからです。怪我が治るのも、がんやウイルスなどによって体が侵されないようにしているのも、すべて免疫が働いているからです。
 免疫は、病気と戦う力だと一般には説明されているようですが、正確には「体にとって必要なものと不必要な有害なものとを判別して、有害なものだけを攻撃する力」を指します。

 免疫というと白血球やリンパ球といった免疫細胞が有名で、軍隊のように外敵のタイプによって、最も効果的なチームを組んで対応しています。

 しかし、病気に負けない免疫の第一次防御ラインは、実は皮膚です。皮膚には常在菌と呼ばれる健康には害を与えない細菌などが棲み着いています。これらの常在菌がいるために、病原菌が体についたときには、常在菌が戦い、生き残った病原菌が傷や口などを通して体の中に入ってきます。常在菌によって、数が減らされ、生き残ったとしても弱っていれば、病原菌が体に入ってきても、被害は大きくはならないはずです。

 ところが、日本人は清潔になりすぎて、消毒などで常在菌までを殺菌・除菌しているために、第一次防御ラインが弱くなり、数多くの強い外敵が強いまま侵入してくるために、海外に行ったときに、食中毒や伝染病にかかりやすいということが起こります。不潔でよいということはありませんが、清潔にしすぎることで免疫が低下しているという事実は知っておくべきではないでしょうか。

 女性と男性とを比べると、常在菌の中でも強い免疫を発揮している乳酸菌の数は、圧倒的に女性のほうが多くなっています。これは、お腹の中に宿った赤ちゃんを守るための仕組みで、女性の皮膚には乳酸菌が多く、料理を手作りすることによって、この乳酸菌が家族の口にするものに入って、腸の中の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしてくれます。悪玉菌は毒素を作り出し、この毒素を排除するために免疫細胞が働き、その分だけ病原菌などを退治する力が低下することになるので、善玉菌を増やす乳酸菌は大切な存在です。

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