2020年5月22日金曜日

免疫の向上はイコール免疫細胞の活性化なんです。白血球の働きを高めることが重要

感染拡大から考えるエネルギー代謝

免疫についての解説一覧

 新型コロナウイルスの感染拡大から免疫向上が改めて注目されています。高齢者は免疫力が低下していて、感染しやすく、次への感染源にもなるということで、超高齢社会に突入した日本では、長期的な対策として免疫向上が重要となります。といっても、年齢を重ねて、年々低下していく免疫力に対して、世間で言われるような免疫対策だけでは不安を感じるという人は少ないかもしれません。

 免疫は免疫細胞によって全身の細胞で行われているもので、免疫の向上はイコール免疫細胞の活性化ということになります。免疫細胞の第一防御ラインを担っているのは白血球です。全身の細胞というと、これまでは身体を構成する約60兆個とされる細胞ばかりに目が行きがちですが、白血球も細胞だという当たり前のことに着目すると、白血球の働きを高めることの重要性にも気がつくはずです。

 細胞の働きを調整しているのは、すべての細胞にある酵素です。酵素によって生化学反応を起こすことによって細胞は本来の働きをすることができます。その酵素の働きを高めるために必要なのは、細胞の中で産生されるエネルギーです。細胞の中のミトコンドリアではエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を取り込んで、TCA回路によってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出します。ATPからリンが一つ外れてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。

 ATPを多く作り出すためには、細胞がエネルギー源の中でも糖質のブドウ糖を取り込んで、TCA回路の中で多くのエネルギーを発生させることが重要で、白血球の中でも同じ仕組みで作り出されたエネルギーが白血球の免疫機能を強化していきます。ブドウ糖をミトコンドリアに取り込むために必要な代謝促進成分はα‐リポ酸です。TCA回路を働かせるためには酵素が必要で、その酵素は補酵素によって働きが高まります。その補酵素となるのがコエンザイムQ10です。

 α‐リポ酸とコエンザイムQ10というと、一般にはダイエット素材として知られていますが、多くのエネルギーを作り出して、全身の細胞の働きを高める働きがあります。α‐リポ酸とコエンザイムQ10は体内で合成されるものの、20歳代をピークに年齢を重ねるほど合成量は減っていきます。このことによって代謝が低下して太りやすくなり、免疫が低下していくことになるので、ダイエットだけでなく、免疫強化のために摂るべき成分だということです。

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