2020年5月23日土曜日

免疫の男女差は、男性のほうが弱いんです。女性ホルモンは抗体を作り出す能力を高めるが男性ホルモンは能力を低下させてしまう

感染拡大から考える免疫力の男女差

免疫についての解説一覧

 新型コロナウイルスの陽性反応があった人は、大型クルーズ船の乗客が多かったことからデータ解析の分母にはしにくいところですが、全体的に男性のほうが多くなっていました。免疫の男女差については、以前から男性のほうが弱いと言われてきました。それを証明したかのような結果でしたが、日本人の発症数が多かったことから、日本人は免疫が弱いとも言われています。

 しかし、このことを断言できるようなことではなくて、感染したときの発症の状態が特殊すぎて、性別による感染率、発症率を語れるような状況ではありません。これまでのウイルス感染による肺炎というと、発症して発熱がある、咳が出るといった外から見てもわかるような症状があることから、その人を調べることによって陽性、陰性の区別がつけやすくなっていました。

 ところが、今回の新型コロナウイルスの新型たる特徴は、すでに広く知られているとおり、まったく症状がなくても感染して陽性となっていて、その状態で他の人に感染させてしまうことです。そのために、症状が出ていなければ受診することもなく、新型コロナウイルスに感染したことも気づかないまま過ごしてしまいます。そして、免疫が強ければ、発症しないまま過ごしてしまうこともあります。

 発症しなかったからといって、感染したウイルスが死ぬわけでも、身体の中から出ていくわけでもなくて、身体の中にウイルスは残っています。現在の免疫力によって発症が抑えられているだけで、免疫が低下してくるとウイルスの活性が始まるようになります。免疫の低下は、身体が疲れているときだけでなく、元気な状態であっても年齢を重ねていくことによって徐々に免疫力は低下していく一方となります。

 これも男性と女性では違っていて、外敵を攻撃する抗体はリンパ球のB細胞が作り出していますが、女性ホルモンは抗体を作り出す能力を高めるのに対して、男性ホルモンは抗体を作り出す能力を低下させてしまいます。

 無症状のまま拡散していく新型コロナウイルスの実態を把握することは不可能なだけに、まだまだ今の段階では実際のところの男女差を見ることはできないということです。

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