2020年5月21日木曜日

善玉菌の増加は免疫力の強化なんです。悪玉菌が増殖しないようすることが大切

善玉菌の増加と免疫力の強化

免疫についての解説一覧

 腸内で腸内細菌の善玉菌が増えると、免疫力が高まっていくことが知られています。

 腸内細菌は、胎児のときには体内にはなく、出産後に母親や周囲の環境の中から取り込まれ、腸の中に定着するようになります。そのため、腸内細菌は細菌の一種であって身体の一部ではなく、免疫細胞には異物として認識されています。腸内の善玉菌が増えると、白血球のマクロファージが善玉菌を取り込んで破壊していきます。マクロファージは善玉菌が多いと、悪玉菌よりも勢いよく取り込んでいくといわれています。

 マクロファージはサイン物質のサイトカインを放出して、抗体を作り出すB細胞や、敵を直接攻撃するT細胞といったリンパ球を活発に働かせるようにします。善玉菌は強い外敵ではないものの、善玉菌は数が多く(1000兆個の20%なら200兆個)、常に増殖を続けているため、マクロファージは戦い続け、サイトカインを出し続け、白血球とリンパ球を戦わせています。

 軍隊は、あまり戦ったことがない部隊よりも、常に戦っている部隊のほうが戦闘慣れしていることから攻撃能力が高いのは当然のことです。それと同じように、免疫細胞の白血球、リンパ球は常に活発に働いていたほうが強化されていきます。このように、善玉菌が増えることで免疫力は高まっていくことになるわけです。

 マクロファージが善玉菌を取り込むということは、善玉菌を常に増やすように心がけないと、善玉菌が減って、悪玉菌が優勢になりかねなくなります。悪玉菌によって、腸内で有害物質が多く作り出されると、それを排泄しようとして下痢が起こりやすくなります。下痢になると水分や有害物質だけでなく、腸内細菌も多く排泄されて善玉菌が減ることになります。多く排泄されると、それを補うために善玉菌も悪玉菌も増殖していくのですが、悪玉菌は善玉菌よりも増えやすくなっています。便秘の解消に下剤を使った場合も同じようなことが起こります。

 悪玉菌が増えると大腸内で有害物質が増えて、また下痢が起こるというように悪循環に陥ることにもなります。これを断ち切るためには、悪玉菌が増殖しないように善玉菌を増やすことが大切になるということです。

免疫についての解説一覧

0 件のコメント:

コメントを投稿