2020年5月24日日曜日

免疫の低下原因は腸内環境の乱れ、低体温による冷えなんですが、一番は免疫細胞の働きの低下なんです

感染拡大から考える免疫の低下

免疫についての解説一覧

 新型コロナウイルスの感染拡大は、ウイルスの増加を抑える免疫力が低下していることが大きく影響しています。日本人は免疫力が低下していると言われるので、免疫力の低下を抑えることが重要となります。免疫低下の原因としてあげられることに腸内環境の乱れ、低体温による冷えなどもありますが、最も影響しているのは免疫細胞の働きの低下です。免疫細胞は病原菌などと戦っている免疫の本体で、白血球とリンパ球があります。

 免疫細胞は軍隊のようなもので、常に戦っていると強くなっていきます。日本は衛生的な国で、島国であることから外からの病原菌などの侵入が少なく、細菌やウイルスと戦う機会が少ないことから、どうしても免疫細胞の戦闘力が高まりにくくなっています。白血球の中のマクロファージは細菌やウイルス、がん細胞などを内部に取り込んで、その中で活性酸素を発生させて身体にとって有害なものを破壊して処理しています。ただ処理するだけでなく、サイトカインという生理活性物質を放出することによって外敵の種類、数などの情報をリンパ球に伝えています。

 リンパ球には抗体を作り出して外敵を攻撃するB細胞、直接的に攻撃するT細胞があります。マクロファージが常に戦っているとサイトカインが分泌されやすくなり、抗体が多くなり、的確に外敵を攻撃できるようになります。

初めて経験したウイルスについては、抗体が作られたとしても、まだ充分に攻撃するほどの数は作られることはないのですが、何度かウイルスに触れ合っていると抗体の攻撃力が高まっていきます。しかし、高まってくるのは同じウイルスに対抗する力であって、ウイルスが変異すると別のタイプになってしまうので、再び新たなウイルスに遭遇したのと同じこととなります。

 こういうことでは、免疫細胞の攻撃力は日本人でも欧米人でも変わりがないことになります。それなのに欧米のほうが感染力が高くなっているのは、免疫細胞の力の差というよりも、変異したウイルスの強さのせいかもしれないという考えが広まってきているのです。

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