2020年5月24日日曜日

免疫の男女差、男性ホルモンの分泌が多いので若いことがデメリットにもなるんです

感染拡大から考える免疫の男女差

免疫についての解説一覧

 男性と女性を比べると免疫は女性のほうが強い、ということは以前から言われてきました。それを裏付ける証拠の一つとして、がんの感染者数と死亡者数の比較がされています。感染者では男性は55%、女性は45%ほど多くなっていますが、死亡数では男性は58%、女性は42%と、やはり男性のほうが多くなっています。これに対して、新型コロナウイルスの男女差を見ると、その違いは極端で、男性は女性の3倍ほども感染率が高くなっています。感染した人の死亡の割合には大きな差はないので、そのまま計算すると男性は女性の3倍もの危険性があるということになります。

 男性と女性で、何が違っているのかというと、がんの場合には免疫細胞のT細胞が直接的に攻撃をしますが、新型コロナウイルスの場合にはB細胞が作り出した抗体が攻撃をしています。この抗体を作り出す能力が男性と女性では違っています。男性ホルモンは抗体を作る能力を低下させるのに対して、女性ホルモンは抗体を作る能力を向上させます。

 がんの場合には、若い人は進行が早いとされますが、それはがん細胞が成長ホルモンによって増殖が促進されるからです。それに対して新型コロナウイルスの場合には、成長ホルモンの影響を受けるわけではなくて、高齢者のほうが死亡率が高くなっています。

 若い人は新型コロナウイルスに関してはリスクが低いと考えられてはいるものの、抗体を作り出す能力の男女差を見ると、男性は若いほど男性ホルモンの分泌が多いので、男性の場合には若いことがデメリットにもなります。それに対して女性は若いほど女性ホルモンの分泌が多くて、新型コロナウイルスには若いほどメリットがあることになります。

 新型コロナウイルスの年齢と性別の感染率と死亡率のデータは、まだ明らかにはされていないものの、数が多くなるとデータが明確になってきます。できることなら、数が爆発的に多くなって明確になってほしくはないのですが、そのタイミングが迫ってきています。

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